日本国内のみならず、世界中で熱狂的な人気を誇る漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』。その長い歴史の中で、シリーズの転換点とも言えるのが第3部「スターダストクルセイダース」です。この第3部で初めて導入された概念が「スタンド(幽波紋)」であり、そのモチーフとして採用されたのが「タロットカード」でした。
スタンド能力という目に見える超能力を、神秘的なタロットカードのアルカナ(大アルカナ)になぞらえて表現する手法は、読者に強烈なインパクトを与えました。各カードが持つ本来の意味と、キャラクターの性格やスタンド能力がどのようにリンクしているのかを知ることで、作品をより深く楽しむことができます。また、敵キャラクターたちが操るスタンドも、タロットカードの暗示する不吉な要素や運命的な要素を巧みに取り入れています。
本記事では、ジョジョ第3部に登場するタロットカード由来のスタンド能力について、カードの意味や使用者の特徴を交えながら詳細に解説していきます。主人公チームのスタンドから、DIOの刺客たちが操る恐るべき能力まで、22枚の大アルカナすべてを網羅し、その魅力に迫ります。
ジョジョのタロットカード一覧:前半のアルカナが示すスタンドと運命
タロットカードの大アルカナは、0番から21番までの計22枚で構成されています。物語の序盤から中盤にかけて登場するスタンドたちは、旅の始まりや初期の試練を象徴するかのようなカードが多く割り当てられています。ここでは、0番「愚者」から10番「運命の輪」までのスタンドについて、その能力とカードの含意を詳しく見ていきましょう。
0番「愚者」から2番「女教皇」までのスタンド
まず、タロットカードの始まりである0番「愚者(THE FOOL)」です。このカードは「自由」「始まり」「無邪気」あるいは「無計画」を意味します。ジョジョにおいてこのカードを冠するのは、物語の後半から仲間に加わる犬のスタンド使い、イギーの「ザ・フール」です。砂を自在に操るこのスタンドは、物理的な攻撃を受け流す変幻自在の性質を持っており、まさに定まった形を持たない「愚者」の自由さを体現しています。イギー自身も気まぐれで誰にも縛られない性格をしており、カードの暗示と完全に一致しています。
次に1番「魔術師(THE MAGICIAN)」です。このカードは「創造」「起源」「意志」を象徴し、物事の始まりを告げるカードです。使用者はモハメド・アヴドゥルで、スタンド名は「マジシャンズレッド」。燃え盛る炎を操る能力は、文明の始まりである「火」を連想させ、一行の旅の先導者としての役割を担うアヴドゥルにふさわしいものです。彼の理知的でありながら情熱的な性格は、魔術師の持つ知恵と創造性とリンクしています。
続いて2番「女教皇(THE HIGH PRIESTESS)」です。このカードには「知性」「神秘」「隠された真実」という意味があります。使用者はミドラーで、スタンド名は「ハイプリエステス」。鉱物やガラスなど無機物に化ける能力を持ち、海底という視界の悪い場所で承太郎たちを襲撃しました。姿を見せずに遠隔から攻撃する戦法や、仮面の下に素顔を隠している点は、女教皇が持つ「神秘性」や「秘密」というテーマを色濃く反映しています。ミドラー自身の素顔が最後まで明確に描かれなかったことも、このカードの性質を補強していると言えるでしょう。
3番「女帝」から5番「法皇」までのスタンド
3番「女帝(THE EMPRESS)」は、「豊穣」「母性」「繁栄」を意味するカードです。使用者はネーナで、スタンド名は「エンプレス」。寄生型スタンドであり、宿主の肉体を養分にして成長していく姿は、歪んだ形での「育成」や「母性」を描いています。本来は愛や恵みを表すカードですが、ジョジョにおいては他者の生命力を奪って自分だけが肥え太るという、利己的な愛の形として表現されているのが特徴的です。
4番「皇帝(THE EMPEROR)」は、「支配」「権威」「父性」を象徴します。使用者はホル・ホースで、スタンド名は「エンペラー」。拳銃型のスタンドであり、弾丸の軌道を自在に操作することができます。タロットにおける皇帝は絶対的な支配者を表しますが、ホル・ホース本人は「一番より二番」を信条とする日和見主義者であり、カードの持つ威厳とは対照的なキャラクター造形がなされています。しかし、拳銃という暴力の象徴を操る点は、支配力の一側面を切り取っているとも解釈できます。
5番「法皇(THE HIEROPHANT)」は、「教え」「慈悲」「社会性」を意味します。使用者は花京院典明で、スタンド名は「ハイエロファントグリーン」。遠隔操作が可能で、結界を張ったり他者の体内に入り込んだりする能力を持ちます。法皇のカードが示す「隠された真実の解明」や「精神的な繋がり」は、花京院が仲間との絆を大切にし、冷静な分析力で敵の正体を見破る姿と重なります。また、緑色というカラーリングは、平和や穏やかさを求める彼の深層心理を表しているとも言われています。
6番「恋人」から8番「力」までのスタンド
6番「恋人(THE LOVERS)」は、「選択」「合一」「快楽」を意味します。使用者はスティーリー・ダンで、スタンド名は「ラバーズ」。ノミのような極小サイズのスタンドで、相手の脳内に入り込み、人質に取った感覚を共有させるという卑劣な能力を持ちます。カード本来の意味である「愛」や「絆」を、一方的な痛みの共有という形で悪用しており、精神的な繋がりを強制する能力として描かれています。
7番「戦車(THE CHARIOT)」は、「勝利」「征服」「突進」を象徴するカードです。使用者はジャン・ピエール・ポルナレフで、スタンド名は「シルバーチャリオッツ」。騎士の甲冑をまとったような姿で、目にも止まらぬ速さでレイピアを繰り出します。猪突猛進で直情的なポルナレフの性格は、まさに目標に向かって突き進む戦車そのものです。甲冑を脱ぎ捨てることでさらに速度を上げる能力は、勝利のためにリスクを恐れない彼の戦士としての矜持を表しています。
8番「力(STRENGTH)」は、「勇気」「不屈」「本能の制御」を意味します。使用者はオランウータンのフォーエバーで、スタンド名は「ストレングス」。巨大な貨物船と一体化したスタンドであり、船そのものを自在に操ります。タロットの絵柄には女性がライオンを手なずける様子が描かれていますが、作中では動物であるオランウータンが高い知能を持って人間を支配しようとする逆説的な構図が描かれました。圧倒的な質量と物理的なパワーは、カード名の通り単純かつ強固な「力」を表現しています。
9番「隠者」から10番「運命の輪」までのスタンド
9番「隠者(THE HERMIT)」は、「探索」「内観」「導き」を意味します。使用者はジョセフ・ジョースターで、スタンド名は「ハーミットパープル」。茨のような形状をしており、念写によって遠くの出来事や敵の位置を探知することができます。老賢者を表すこのカードは、歴戦の勇士であり一行の知恵袋であるジョセフに最適です。戦闘向きではありませんが、情報を手に入れ進むべき道を示す能力は、旅における重要な指針となりました。
10番「運命の輪(WHEEL OF FORTUNE)」は、「転換点」「チャンス」「周期的変化」を象徴します。使用者はズィー・ズィーで、スタンド名は「ホウィール・オブ・フォーチュン」。ボロボロの自動車を変形させ、武装車として操る能力を持ちます。運命の輪が回転するように、状況に応じて車体を変化させて攻撃するスタイルが特徴です。しかし、運命は常に流動的であり、最終的には承太郎たちによってその運命を断ち切られる結末を迎えました。
ジョジョのタロットカード一覧:後半のアルカナとDIOの世界
物語がエジプトに近づくにつれて、登場するスタンド使いもより凶悪かつ強力になっていきます。後半のアルカナである11番から21番は、精神的な試練や避けられない運命、そして最終的な完成を意味するカードが並びます。ここでは、11番「正義」から21番「世界」までのスタンドについて、その恐るべき能力と物語における役割を解説します。
11番「正義」から14番「節制」までのスタンド
11番「正義(JUSTICE)」は、「均衡」「正当性」「因果」を意味します。使用者はエンヤ婆で、スタンド名は「ジャスティス」。霧状のスタンドであり、相手の体に穴を開けてそこから霧を侵入させ、操り人形のように支配します。「正義」という言葉が持つ絶対的な正しさを、エンヤ婆は独善的な復讐心として解釈し、息子を殺された恨みを晴らそうとしました。形を持たない霧は物理攻撃が効かず、まさに逃れられない因果のように承太郎たちを苦しめました。
12番「吊られた男(THE HANGED MAN)」は、「試練」「犠牲」「視点の転換」を象徴します。使用者はJ・ガイルで、スタンド名は「ハングドマン」。鏡や瞳の中など、光を反射する物体の中を光速で移動し、鏡の中の世界から攻撃を加えます。吊られた男のカードは身動きが取れない状態を表しますが、このスタンドは「映るものの中にしか存在できない」という制約の中で最強の暗殺能力を発揮します。ポルナレフにとって妹の仇であり、避けては通れない試練の象徴でもありました。
13番「死神(DEATH)」は、「終焉」「再生」「変化」を意味します。使用者は赤ん坊のマニッシュ・ボーイで、スタンド名は「デスサーティーン」。睡眠中の相手の夢の中に入り込み、精神攻撃を行う能力です。夢の中ではスタンドを出せないという絶望的な状況を作り出し、鎌を持った死神の姿で一方的に攻撃します。「死」は終わりであると同時に新たな始まりを意味しますが、このスタンドは抵抗できない眠りの中で命を刈り取る恐怖の象徴として描かれています。
14番「節制(TEMPERANCE)」は、「調和」「浄化」「適応」を意味します。使用者はラバーソールで、スタンド名は「イエローテンパランス」。スライム状の物質で肉体を覆い、衝撃吸収と消化吸収を行う攻防一体の能力です。他者の姿に変装することも可能で、節制が意味する「混ぜ合わせる」という要素を、他者を取り込み同化するというグロテスクな形で表現しています。自らを「弱点はない」と豪語する傲慢さは、節制の美徳とは対極にあると言えるでしょう。
15番「悪魔」から17番「星」までのスタンド
15番「悪魔(THE DEVIL)」は、「束縛」「欲望」「誘惑」を象徴します。使用者はデーボで、スタンド名は「エボニーデビル」。使用者が恨みを持つ相手からの攻撃を受けることで怨念エネルギーを増幅させ、人形を操って攻撃します。自らを傷つけることで力を得るというマゾヒスティックな性質は、悪魔のカードが持つ「呪縛」や「執着」を体現しています。ポルナレフとのホテルでの死闘は、視界の悪い中での恐怖を描いた名シーンの一つです。
16番「塔(THE TOWER)」は、「崩壊」「災害」「予期せぬ変化」を意味する、タロットの中で最も凶兆とされるカードです。使用者はグレー・フライで、スタンド名は「タワー・オブ・グレー」。クワガタムシのような姿をした高速飛行するスタンドで、事故に見せかけて旅客機内で大量殺戮を行いました。塔が雷に打たれて崩れる絵柄のように、平穏な旅路を突如として破壊する厄災そのものとして描かれています。スタープラチナですら捉えるのに苦労するスピードは脅威でした。
17番「星(THE STAR)」は、「希望」「インスピレーション」「約束された未来」を意味します。使用者は第3部の主人公、空条承太郎で、スタンド名は「スタープラチナ」。圧倒的なパワーとスピード、そして精密動作性を兼ね備えた最強クラスのスタンドです。星のカードは暗闇の中で輝く希望の光であり、どんなに絶望的な状況でも道を切り開く承太郎の姿と重なります。また、後に「時を止める」能力に目覚めることは、星が時を超えて輝き続ける永遠性を暗示しているとも解釈できます。
18番「月」から19番「太陽」までのスタンド
18番「月(THE MOON)」は、「不安」「幻影」「潜在意識」を象徴します。使用者は偽キャプテン・テニールで、スタンド名は「ダークブルームーン」。水中戦を得意とする半魚人のようなスタンドで、フジツボを付着させて相手のエネルギーを奪います。月が夜の海を支配するように、海中という人間の力が及ばない領域での恐怖を演出しました。また、水中で渦を作り出す能力は、月の引力が潮の満ち引きを支配することと関連付けられています。
19番「太陽(THE SUN)」は、「成功」「生命力」「明るい未来」を意味する非常にポジティブなカードです。使用者はアラビア・ファッツで、スタンド名は「サン」。灼熱の太陽そのものを出現させ、周囲の気温を急激に上昇させて敵を消耗させるとともに、レーザー光線のような攻撃を行います。本来は恵みを与える太陽ですが、砂漠という環境下では死をもたらす脅威となります。あまりに単純かつ強力な能力ですが、本体の隠れ場所が露見するとあっけなく敗北するという、コミカルな一面も見せました。
20番「審判」から21番「世界」までのスタンド
20番「審判(JUDGEMENT)」は、「復活」「覚醒」「決断」を意味します。使用者はカメオで、スタンド名は「ジャッジメント」。土人形に相手の願いを投影し、それを具現化するかのように見せかけて襲いかかります。ポルナレフの「死んだ妹とアヴドゥルを生き返らせたい」という悲痛な願いを利用した精神攻撃は苛烈を極めました。審判のラッパが死者を蘇らせるというカードのモチーフを、偽りの復活として描いた悲劇的なエピソードです。しかし、これによって真のアヴドゥルの復活(帰還)が際立つ演出となっています。
最後に21番「世界(THE WORLD)」です。これはタロットの最後を飾るカードで、「完成」「完全」「統合」を意味します。使用者はシリーズ最大の宿敵DIOで、スタンド名は「ザ・ワールド」。近距離パワー型としての高いステータスに加え、「時を止める」という支配的な能力を持ちます。自分以外の時間が止まった世界で自在に動くことができる力は、まさに世界を我が物にする帝王の能力です。タロットの旅の終着点であるこのカードは、DIO自身の目的である「天国」や「完全なる存在」への執着と深く結びついています。承太郎のスタープラチナと同じタイプの能力であることは、二人の因縁と対比を象徴する重要な要素となっています。
まとめ:ジョジョのタロットカード一覧が示す物語の深淵
ジョジョのタロットカード一覧についてのまとめ
今回はジョジョのタロットカード一覧についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
| 種別 | 詳細・ポイント |
|---|---|
| 実店舗 | タロットカードの購入場所は大きく分けて実店舗とネット通販の2種類が存在する |
| 実店舗で購入する最大のメリットは実物を手に取って直感で選べることである | |
| 大型書店には精神世界や占いのコーナーがあり入門キットが充実している | |
| 書店では定期的にタロットフェアが開催され珍しいデッキが入手できる機会がある | |
| 東急ハンズやロフトなどのバラエティショップではデザイン性の高いデッキが手に入る | |
| オカルトや占いの専門店では専門知識を持ったスタッフからアドバイスを受けられる | |
| ネット通販 | ネット通販は圧倒的な品揃えと検索のしやすさが最大のメリットである |
| Amazonや楽天などの総合ECサイトは配送が早いが海賊版に注意が必要である(QRコードのみ・異常な安さ等) | |
| タロット輸入専門のオンラインショップは正規品保証があり日本語解説等の特典も多い | |
| BOOTHやEtsyなどのクリエイターズマーケットでは個性的なインディーズデッキが買える | |
| 中級者以上は専門店や海外通販を利用してコレクションの幅を広げることが可能である | |
| 購入のコツ | 初心者には日本語解説書が付属している国産の入門セットが推奨される |
| まとめ | 自分に合った購入場所を選ぶことでタロットとの出会いがより良いものになる |
ジョジョの奇妙な冒険第3部において、タロットカードは単なる名前の由来にとどまらず、キャラクターの運命や能力の本質を色濃く反映していることがわかります。それぞれのカードが持つ意味を理解した上で改めて作品を読み返すと、新たな発見や伏線に気づくことができるでしょう。ぜひ、この一覧を参考に、ジョジョの奥深い世界観を堪能してください。


