神秘的な絵柄が描かれたタロットカードは、占いを行うための道具としてだけでなく、美術品やコレクションアイテムとしても高い人気を誇ります。タロットカードを購入しようとインターネットや店舗で探してみると、意外にも多くの種類が存在することに気づくでしょう。その中でも、実際に手に取って扱う際に極めて重要な要素となるのが「大きさ」です。
タロットカードには、世界的に広く流通している標準的なサイズから、手のひらに収まるほど小さなもの、さらにはポスターのように巨大なものまで、多種多様な寸法が存在します。カードの大きさは、単に見た目の印象を変えるだけでなく、シャッフルのしやすさや、占う場所の確保、さらには絵柄から受け取るインスピレーションの強さにまで影響を与えます。
初心者の場合、「どの大きさが自分に合っているのか分からない」と悩むことも少なくありません。また、熟練の占い師であっても、用途に合わせて異なるサイズのデッキを使い分けることが一般的です。
本記事では、タロットカードの大きさに関するあらゆる情報を網羅し、主要なサイズ展開の特徴から、失敗しない選び方のポイントまでを徹底的に解説します。これからタロットを始めたい方も、新しいデッキの購入を検討している方も、ぜひ参考にしてください。
タロットカードの大きさの基準と種類
タロットカードの大きさには、ある程度の共通規格が存在しますが、メーカーやデザインによって数ミリから数センチの差異が生じることがあります。一般的に市場に出回っているタロットカードは、大きく分けて「スタンダードサイズ」「ポケットサイズ」「ミニサイズ」「ラージサイズ」の4つのカテゴリーに分類されます。それぞれの寸法や使用感、メリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。
一般的なスタンダードサイズの寸法と特徴
タロットカードの中で最も普及しており、基準とされているのが「スタンダードサイズ」です。具体的な寸法はおおよそ「幅70mm×縦120mm」前後となっています。このサイズは、1909年に誕生した世界で最も有名な「ライダー・ウェイト・タロット(アーサー・エドワード・ウェイト版)」の標準的な寸法に基づいています。
スタンダードサイズの最大のメリットは、絵柄の細部まで視認しやすいことです。タロット占いは、描かれた象徴や色彩、人物の表情などからメッセージを読み取るため、ある程度の大きさがあることでリーディングの精度が高まります。また、多くの解説書やタロット関連の学習用具もこのサイズを前提に作られています。
ただし、手の小さな人や指の短い人にとっては、70mmという幅は片手で支えるには少々大きく感じられることがあります。特に、カードを混ぜる「シャッフル」の動作において、スタンダードサイズはそれなりの慣れが必要です。また、78枚すべてのカードをテーブルに並べる「スプレッド」を行う際には、広めのスペースを確保しなければなりません。
持ち運びに便利なポケットサイズとミニサイズ
外出先での鑑定や、カフェなどの限られたスペースで占いを楽しみたい人に適しているのが「ポケットサイズ」や「ミニサイズ」です。ポケットサイズはおおよそ「幅60mm×縦100mm」程度、ミニサイズはさらに小さく「幅45mm×縦75mm」や「幅35mm×縦60mm」程度のものが一般的です。
ポケットサイズは、スタンダードサイズよりも一回り小さいため、手の小さな女性や子供でも非常に扱いやすいのが特徴です。トランプのサイズ(ポーカーサイズ:約63mm×88mm)に近い感覚でシャッフルができるため、操作性に優れています。それでいて、絵柄のディテールも比較的保たれているため、実用性と携帯性のバランスが非常に良いサイズと言えるでしょう。
ミニサイズは、文字通り手のひらやポケットにすっぽりと収まるサイズです。キーホルダーのように持ち歩けるものもあり、お守り代わりに携帯するファンも多いです。しかし、カードが非常に小さいため、絵柄を細かく観察することには向きません。また、カードが軽すぎてシャッフル時に飛び出しやすかったり、厚みとの兼ね合いで扱いにくさを感じたりすることもあります。あくまで補助的な利用や、極めて狭いスペースでの簡易的な占いに向いています。
鑑賞用や大舞台で映えるラージサイズ
スタンダードサイズよりもさらに大きい「ラージサイズ(グランデサイズ)」も存在します。寸法はメーカーによって様々ですが、おおよそ「幅80mm〜100mm×縦140mm〜170mm」といった巨大なものが該当します。中にはA5サイズやそれ以上の特大サイズも稀に見られます。
ラージサイズの最大の利点は、その圧倒的な視覚効果です。絵柄が大きく印刷されているため、アートワークの繊細な筆致や色彩のグラデーションを余すことなく堪能できます。コレクターズアイテムとしての価値が高く、占いに使うというよりは、お気に入りのカードを額装して飾ったり、瞑想の際に対象として眺めたりするのに適しています。
実戦での利用シーンとしては、大人数の前で行うイベント鑑定や、YouTubeなどの動画配信が挙げられます。カードが大きいため、遠くにいる観客やカメラ越しでも絵柄がはっきりと認識できるからです。ただし、一般的な手の大きさでこのサイズの78枚をシャッフルするのは至難の業であり、実占において日常的に使うには不向きな側面があります。
特殊な形状や円形タロットのサイズ感
タロットカードは長方形が一般的ですが、中には正方形や円形といった特殊な形状のカードも存在します。これらの大きさは、直径や一辺の長さで表記されます。例えば、有名な「マザー・ピース・タロット」などの円形タロットは、直径が約110mm〜120mm程度のものが多く見られます。
円形カードの場合、上下の概念(正位置・逆位置)がグラデーションのように変化するため、長方形のカードとは異なる解釈を楽しむことができます。大きさとしてはスタンダードサイズに近い面積を持ちますが、角がないため手に持った時の感覚は独特です。
また、最近ではスマートフォンの画面サイズに合わせた縦長のカードや、逆に横長のパノラマサイズのカードなどもクリエイターズデッキとして登場しています。これらは標準的な規格から外れるため、収納用のポーチや専用のマットを見つけるのが難しいという点に注意が必要です。カードを選ぶ際は、一般的な市販品とサイズを比較し、自分の手に馴染むかどうかを慎重に判断する必要があります。
手のサイズや用途に合わせたタロットカードの大きさの選び方
タロットカードを選ぶ際、デザインの好みと同じくらい重要なのが「自分にとっての扱いやすさ」です。どんなに美しいカードでも、大きすぎて手に余ったり、小さすぎて絵が見えなかったりしては、占いに集中することができません。ここでは、具体的にどのような基準で大きさを選ぶべきかを詳しく解説します。
シャッフルのしやすさを左右する手の大きさとカードの幅
タロット占いのプロセスにおいて、最も物理的な動作を伴うのがシャッフルです。カードを混ぜる際に、自分の手の大きさに合わないカードを使うと、手首を痛めたり、カードを床にぶちまけたりする原因になります。特に、カードの「幅」が重要です。
日本人の平均的な手の大きさを考慮すると、スタンダードサイズの幅70mmは「少し大きい」と感じる人が多い傾向にあります。手が小さめの方は、幅が60mm程度のポケットサイズを選ぶと、指がしっかりとカードの端まで届き、安定したシャッフルが可能になります。逆に、手が大きな人や指が長い人は、スタンダードサイズの方が適度なホールド感があり、スムーズに扱えます。
また、シャッフルの手法によっても適した大きさは異なります。トランプのように横から差し込む「ヒンドゥーシャッフル」を多用する場合は、手の幅に収まるサイズが適しています。一方で、テーブルの上にカードを広げて円を描くように混ぜる「ウォッシュシャッフル(全体混ぜ)」を中心に行う場合は、カード自体の大きさよりも、テーブルの広さとの兼ね合いが重要になります。
占いを行う場所のスペースに合わせた選択
タロット占いは、展開する方法(スプレッド)によって必要なスペースが大きく変わります。例えば、1枚だけ引く「ワンオラクル」であれば、どのようなサイズのカードでも場所を選びませんが、10枚のカードを使用する「ケルト十字展開法」や、20枚以上を並べるスプレッドでは、カードの大きさが物理的な制約となります。
自宅のダイニングテーブルや広めのデスクで占うのであれば、スタンダードサイズで全く問題ありません。しかし、カフェの小さな丸テーブルや、移動中の新幹線のトレイ、あるいは狭い自室の机の上などで占う場合は、スタンダードサイズではカードが重なり合ってしまい、全体像が見えにくくなることがあります。
このような限られたスペースでの使用が想定される場合は、ポケットサイズやミニサイズが非常に重宝します。ポケットサイズであれば、スタンダードサイズの約3分の2程度の面積で同じスプレッドを展開できるため、狭い場所でもスマートに鑑定を行えます。自分の主な「占い場」がどこになるかをイメージして、適切なサイズを選びましょう。
リーディングの精度を高める絵柄の視認性
タロットカードの大きさは、直感やインスピレーションにも影響を与えます。タロットは「絵解き」の要素が強く、描かれたシンボルの一つひとつに意味が込められています。小さなカードでは、背景に描かれた遠くの山や、人物が持っている小さな持ち物、空に浮かぶ雲の形などを見落としてしまう可能性があります。
特に初心者のうちは、カードの細部まで確認しながら意味を学習していく必要があるため、視認性の高いスタンダードサイズから入るのが王道です。大きな絵柄は脳にダイレクトに視覚情報を送り込み、より深いリーディングを助けてくれます。
一方で、すでにカードの意味を熟知している熟練者の場合、シンボルを一つひとつ確認しなくても、カード全体の色彩や雰囲気だけでメッセージを捉えることができます。そのような段階になれば、視認性よりも携帯性や操作性を重視して、小さなサイズのカードを選んでもリーディングの質が落ちることはありません。自分の習熟度に合わせて、視覚情報の重要度を考慮することも大切です。
タロットカードの大きさに関する情報のまとめ
タロットカードの大きさは、占いという行為そのものの質を左右する極めて重要な要素です。物理的な扱いやすさ、視覚的な情報量、そして使用環境との相性という多角的な視点から検討することで、自分にとって最適な「運命の一箱」を見つけることができるでしょう。最後に、これまでの内容を振り返り、タロットカードの大きさに関するポイントを整理します。
タロットカードの大きさ選びについてのまとめ
今回はタロットカードの大きさについてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
タロットカードのサイズ別比較表
| サイズ種別 | およその寸法 | 特徴と主な用途 |
|---|---|---|
| スタンダード | 幅約70mm×縦約120mm | 最も一般的であり絵柄の視認性に優れシンボルを学習したい初心者やインスピレーションを重視する人に最適である |
| ポケット | 幅約60mm×縦約100mm前後 | 日本人の手に馴染みやすくトランプに近い感覚で扱えるため外出先や狭い場所での鑑定に便利である |
| ミニ | 幅約45mm×縦約75mm以下 | 手のひらサイズで携帯性に特化しておりお守りとしての所持や極めて限られたスペースでの使用に向く |
| ラージ | スタンダードより大型 | 鑑賞用や動画配信および大人数向けのイベント用であり圧倒的な迫力があり細部まで堪能できる |
失敗しないための選び方のポイント
| 検討項目 | 選び方の基準 |
|---|---|
| 身体的負担 | 自分の手の大きさに合う「幅」を確認し無理なサイズによるシャッフル時の手首の痛みを防ぐことが重要である |
| 環境の広さ | 多枚数を使用するスプレッドを行う場合テーブルの占有面積とカードのバランスを十分に考慮する |
| 習熟度 | 初心者は絵柄のシンボルを見落とさないよう視認性の高いスタンダードサイズを選択することが推奨される |
| 収納・携行 | 持ち運び頻度や保管スペースの有無など自身のライフスタイルに合わせた利便性を考慮して決定する |
タロットカードの大きさは、日々の占いにおける快適さを大きく左右します。自分にぴったりのサイズを見つけることで、カードとの対話がよりスムーズに、そして深いものになるはずです。まずは標準的なサイズから手に取り、必要に応じて異なるサイズを揃えていく楽しみもタロットの魅力の一つと言えるでしょう。
次は、実際にカードを手に取ってみて、具体的なシャッフルの感覚を確かめてみてはいかがでしょうか。


